「先輩。俺が守るって言ったでしょ?」

「……!」



ぱっと顔を見上げ、驚きの表情を隠せていない先輩。

助けを求めるような、それでいて俺を信じている、と伝えるかのような目でこっちを見てくる。

そんなちょっとした仕草でさえ愛おしくて、つい抱きしめてしまう。



「大丈夫。俺はどんなときでも先輩の味方だし、先輩のこと守るって誓う」

「私、の味方……」

「そう。嫌なこととか辛いこと、苦しいことがあったら俺に頼ってくれでいいんだからね」



先輩に頼ってもらえるなら本望だ。

俺が守りたいのは先輩だけだもの。



「……あ、和輝くん!出口見つけたよ!!」

「あ、あー、見つかったのか、よかったねー」



まじか。

ほんとはまだ先輩と一緒にいたかったんだけどなぁ……。

そして俺たちがお化け屋敷から脱出すると、先輩は安心感で泣き出すし、先輩の同級生は俺が先輩を泣かせたと思ったらしく、二人きりだったこともありめちゃくちゃ睨んできた。

…………なんだこの光景。カオスすぎるだろ。