「え、まって和輝くん、私怖いの無理……」
「ん?俺しらないもーん」
嫌われたっていい。どうせ中で好きにさせるんだから。
後ろから先輩の同級生だかが何か言っているけど、もう気にしない。
無事、俺と先輩はお化け屋敷の中に入ることができた。
「ね、和輝くん……?」
「先輩どしたの?」
「怖い、から……一緒にいて欲しい……。」
もう怖がってる。かわいい。
「うん、大丈夫だよ。俺がついてるから」
「ありがと……」
その瞬間。
額に札を貼った、昔の中国人みたいな格好をしたお化け(?)が目の前に現れた。
これは…………キョンシー?か??
「きゃあああああっ!!」
横で悲鳴をあげた先輩は、俺にしがみついてきた。
え、なんなんだこの人。めちゃくちゃかわいいじゃん。
「和輝くん、助けて……私もう無理かもしれない……。」
「ほら、大丈夫だから。俺は先輩の傍にいるからね?」
「うん……」