先輩絶対わかってない、可愛い。
「思ってること話し切って疲れたでしょ、
寄り道して帰ろ?」
「え、寄り道……?」
それから俺は先輩をお気に入りのカフェに連れて行った。
コーヒーのほろ苦い香り、味だけでなく見た目もいいスイーツたち、明るく開放的な店内。そのすべてが俺の好きなポイントだ。
今日は先輩の元気づけのために来てることだし、ほっと落ち着く風味のカフェラテと、見るだけで心も明るくなる華やかなパフェを頼んだ。
「和輝くん、ここまでしてくれてありがとね?」
「いや、可愛い先輩のためだもん!」
ほんとにそうだ。先輩について深く知った今では、先輩のためならなんだってできそうだ。
アイスカフェラテを頼んだのに、先輩は飲み物が熱いと思ってふー、と息を吹きかけ、冷まそうとしている。
まじで可愛いな、先輩。
なんでいままで気づかなかったんだろう。あぁ、俺が珍しい甘い血にしか興味なかったからか。