「でね、今日私早めに帰って寝ようと思う!
 また明日!!」

「あ、なんなら俺送ってくよ?」



喜春くんの優しさに甘えたくもなるけど、そしたら喜春くんの負担が大きくなってしまう。



「いや大丈夫!私ひとりで帰るね!」

「あ、うん、わかった……。」



そう言って私は、保健室を後にした。



「……あっ」



忘れてた。今日の分の勉強まだ終わってなかった……。家に帰ってからやるのも嫌だし、そもそも家帰ったらすぐ寝たいし……今やるか。

私がいつも勉強に使っている空き教室へ向かった。

心地良い風と、校庭から聞こえる和気あいあいとした声、爽やかな木漏れ日が、いつも私の癒しとなってくれている。

―――よし、やるか。

私は、空き教室に先客がいることに気付かず、勉強を始めた。



「あれ、先輩……?
 こんな時間に何してるんだろ?」



努力すれば段々できるようになると思っていた。結果は必ずついてくるもの。だから努力する。中学時代、運動部だった親友は言っていた。