〇校舎玄関(放課後)
央士は、王子くんモードで爽やか笑顔を振り撒いて、校内を歩いている。
女子生徒「きゃあー!」
女子生徒「今、王子くん、こっち見たよね?」
女子生徒「カッコいい!」
相変わらず央士の周りには人が群がり、歓声が飛び交っている。
陽夏は、今までは見向きもしなかったが、雇用主と家政婦という関係になり、関わりを持ってしまった今は自然と目で追ってしまう。
陽夏(王子モードの時の爽やかさ凄いなあ。私といる時のクズな央士くんとのギャップが凄くて感心する……)
笑顔を振り撒く央士に、陽夏は呆れた視線を向ける。
そんな陽夏に気づいた央士と視線が重なる。
王子モードでニコリと微笑む。
不意打ちに笑顔を向けられたので、ドキッとする。
陽夏(顔はカッコいいんだよね……中身はクズだけど)
群がる女子生徒をかき分けて、陽夏の方へと進んでくる。
陽夏(こ、こっちにくる?!や、やめてー!みんなの前で話しかけられたら、王子くんファンから敵意を向けられちゃう……)
央士「百瀬さん、一緒に帰ろう?」
陽夏の願いも虚しく、央士は堂々と話しかける。
演じている王子キャラを装い、爽やかにニコリと笑う。
女子生徒「え、なんで王子くんと百瀬さんが?!」
女子生徒「ま、まさか……」
みんながいる前で「一緒に帰ろう」だなんて誘ったので、辺りは騒然とする。
陽夏「……ちょっと!なんで、みんなの前で誘ってくるの?」
央士「今日お前のところに、さっそく仕事入ってんだよ、歩くのだるいだけ。運転手きてんだろ?」
周りの生徒に聞こえないように小声で話す陽夏と央士。
陽夏(……そうだった。家政婦事務所に連絡をいれて、今日から央士くんが我が家の家政婦になったんだった)
騒つく観衆の中、央士は堂々と正門へと歩いて行く。陽夏は周りの視線を感じながら、後をついていく。
この時、遠くの方から敵意剝き出しの視線が向けられていることに陽夏は気づいていない。
〇自宅(夕方)
他の生徒の痛い視線を背中に受けながら、百瀬家の送迎車で陽夏は央士と一緒に帰ってきた。
央士は今日から、百瀬家専属家政婦だ。
央士「はあー、今日はどこ掃除すっかなあ、」
央士は、なぜか嬉しそうに家の中を探索している。
陽夏(私に無理やり指名させたから、仕事さぼるのかと思ったら、ちゃんとやるんだ……)
腕まくりをしてやる気満々な姿を見ると好感が持てた。
央士「陽夏、今日は何食べたい?」
いきなり名前で呼ばれた陽夏は動揺してしまう。ドキドキと心臓の鼓動が速くなる。
陽夏「……お、オムライス」
央士「ははっ、オムライスって子供みてえ」
陽夏「じゃ、じゃあ、違うやつにする」
央士「冗談だよ、かしこまりました……お嬢様」
央士は執事のまねごとのように、会釈をして顔をあげた。目が合った瞬間に、ニコッっと微笑むので、陽夏は思わずドキッとする。
陽夏(……イケメンは反則だ。クズ王子のはずなのに、ドキッとしてしまった)
央士の本性を知ってから、陽夏の心は彼に振り回されている。
央士は、王子くんモードで爽やか笑顔を振り撒いて、校内を歩いている。
女子生徒「きゃあー!」
女子生徒「今、王子くん、こっち見たよね?」
女子生徒「カッコいい!」
相変わらず央士の周りには人が群がり、歓声が飛び交っている。
陽夏は、今までは見向きもしなかったが、雇用主と家政婦という関係になり、関わりを持ってしまった今は自然と目で追ってしまう。
陽夏(王子モードの時の爽やかさ凄いなあ。私といる時のクズな央士くんとのギャップが凄くて感心する……)
笑顔を振り撒く央士に、陽夏は呆れた視線を向ける。
そんな陽夏に気づいた央士と視線が重なる。
王子モードでニコリと微笑む。
不意打ちに笑顔を向けられたので、ドキッとする。
陽夏(顔はカッコいいんだよね……中身はクズだけど)
群がる女子生徒をかき分けて、陽夏の方へと進んでくる。
陽夏(こ、こっちにくる?!や、やめてー!みんなの前で話しかけられたら、王子くんファンから敵意を向けられちゃう……)
央士「百瀬さん、一緒に帰ろう?」
陽夏の願いも虚しく、央士は堂々と話しかける。
演じている王子キャラを装い、爽やかにニコリと笑う。
女子生徒「え、なんで王子くんと百瀬さんが?!」
女子生徒「ま、まさか……」
みんながいる前で「一緒に帰ろう」だなんて誘ったので、辺りは騒然とする。
陽夏「……ちょっと!なんで、みんなの前で誘ってくるの?」
央士「今日お前のところに、さっそく仕事入ってんだよ、歩くのだるいだけ。運転手きてんだろ?」
周りの生徒に聞こえないように小声で話す陽夏と央士。
陽夏(……そうだった。家政婦事務所に連絡をいれて、今日から央士くんが我が家の家政婦になったんだった)
騒つく観衆の中、央士は堂々と正門へと歩いて行く。陽夏は周りの視線を感じながら、後をついていく。
この時、遠くの方から敵意剝き出しの視線が向けられていることに陽夏は気づいていない。
〇自宅(夕方)
他の生徒の痛い視線を背中に受けながら、百瀬家の送迎車で陽夏は央士と一緒に帰ってきた。
央士は今日から、百瀬家専属家政婦だ。
央士「はあー、今日はどこ掃除すっかなあ、」
央士は、なぜか嬉しそうに家の中を探索している。
陽夏(私に無理やり指名させたから、仕事さぼるのかと思ったら、ちゃんとやるんだ……)
腕まくりをしてやる気満々な姿を見ると好感が持てた。
央士「陽夏、今日は何食べたい?」
いきなり名前で呼ばれた陽夏は動揺してしまう。ドキドキと心臓の鼓動が速くなる。
陽夏「……お、オムライス」
央士「ははっ、オムライスって子供みてえ」
陽夏「じゃ、じゃあ、違うやつにする」
央士「冗談だよ、かしこまりました……お嬢様」
央士は執事のまねごとのように、会釈をして顔をあげた。目が合った瞬間に、ニコッっと微笑むので、陽夏は思わずドキッとする。
陽夏(……イケメンは反則だ。クズ王子のはずなのに、ドキッとしてしまった)
央士の本性を知ってから、陽夏の心は彼に振り回されている。