――ガチャ。
 玄関ドアが開く音が響く。
 陽夏と央士が、作戦会議をしている間に両親がリビングまでやってくる。


母「ただいまー!……ってあれ?陽夏が男を連れ込んでる」

父「なんだって?!」

 央士の姿を見て驚く両親。
 父は怪訝そうな表情をしている。

陽夏「……ママ!パパ!これは……違うの!えっと、えっとね……」

 陽夏は焦ってしまい、言葉に詰まりうまく説明できない。


央士「初めまして。星乃央士といいます」


 央士はハキハキとした口調で話し、丁寧に深くお辞儀をする。

母「……どうも」
父「君は一体、どうしてここにいるんだ?」

 父の口調は荒々しい。

陽夏「ちゃんと、最初から説明させて……!」

央士「……俺が説明するよ、」

陽夏「う、うん」


陽夏(央士くん、ここにいる経緯をちゃんと説明してよね……)


央士「実は……陽夏さんとお付き合いさせてもらってます」


陽夏「は?」
母「あら♡」
父「なんだと?!」


 陽夏が予想していた言葉とはかけ離れた言葉が放たれた。その言葉の意図が分からなくて、陽夏は驚きと戸惑いが交差する。


陽夏(お付き合いって……?!どういうこと?!)


 奇妙な空気感が流れ、父からは殺気が零れだしていた。