「お綺麗ですよ。」


まるで、結婚式挙げるみたいじゃない。


龍矢はどんな思いでこのドレスを選んでくれたの?


「準備できたか?」


「うん。」


車に乗って、会場に向かった。


車を降りて、先に歩こうとする龍矢を引きとめた。


「美和?」


「・・・独りにしないで。私、初めてなんだから。」


「誰が一人にするって?」


「だって、先行こうとするから。」


「んなわけないだろ?」


「うん。」


「そんな顔するな。いつもの美和でいいから。」


そう言って、龍矢は優しく笑った。