あれから、龍矢を追い出して着替えをした。


「行くぞ。」


「待ってよ!」


ほんと、自分勝手なんだから。


手、握ってもいいかな?


ちょっとだけ、龍矢を見上げたら。


目が合った。


なんか恥ずかしくて、急いで目をそらした。


「ほんと、素直じゃないな。」


「なにそれ。なにも言ってないし。」


「これで満足だろ?」


そう言って、私の手をとった。


なんで?


見透かされたる。


手、握ってほしかったこと。