「さみしがり屋の美和のせい。」


龍矢はゆっくり私の髪をなでた。


「さみしくなんか・・・」


「いいから、寝ろ?そしたら、元気になるから。」


「・・・うん。」


私は龍矢の手に、ちょっとだけ自分の手を重ねた。


「どっこも行かないでね。」


顔が熱いのは、熱のせい。


いつもより心臓の動きが早いのも、熱のせい。


「どこも行かないよ。」


龍矢は、私の手にキスをして。


ぎゅっと握ってくれた。


しばらくすると、美和の寝息が聞こえてきた。


顔を真っ赤にして。


行かないでね。


そう言った美和。