「なんだよ、その顔。」


「はっ?なに?」


「まるで俺にここにいて欲しいみたいだな。」


「そんなことない。さっさと行っちゃえ。」


そう言って、頭から布団をかぶった。


ほんとは、ね。


ほんとはここにいて欲しい。


だって、病気のときに一人はヤダから。


お母さんは、ちょっと私が熱を出しただけでもずっとそばにいてくれた。


お菓子作りの教室を休んでまで。


一人ずつ電話で、今日の教室はお休みにさせてくださいって言って。


あーほんとなんだ。


病気のときって、気が弱くなるって。


「美和。」


急に名前を呼ばれて、布団をめくられた。