テニスは、お母さんの影響で始めた。


お母さんはお菓子作りの先生だった。


だから、あんまり運動神経はよくなかったんだけど。


それでも、あまりに楽しそうにテニスをするから。


いつの間にか、私もその魅力に取りつかれてた。


「いくよー」


「いいよー」


由衣からの返事が返ってくる。


ちなみに、由衣もテニスをしてる。


しばらく二人で打ち合いをしてたけど。


「もーやだ。暑い。」


由衣が声を上げた。


「私もー」


確かに暑い。


夏の太陽がギラギラ照りつける。