「似合う。」


「ありがとう。」


龍矢が私を見て、ほほ笑んだ。


「あのね、私もあるんだよ。」


「美和が?」


龍矢が驚いた顔をした。


私は一つの箱を取り出した。


「開けていいか?」


「うん。」


「ネクタイか。」


「なにがいいか、わからなくてね。結局それにしたの。ネクタイなら、学校にも、仕事にもしてけるでしょ?」


「ありがとう。うれしいよ。」


「うん!」


私がバイトをしたいと言った理由。


それは龍矢になにか贈りたかったから。