「なにも隠してません。」


恐ろしい。


親友はだませない。


でも、このことは絶対言わないんだから。


お母さんの遺言で行った先が、先生ん家で。


しかも、結婚させられて。


ファーストキスまで奪われたなんて。


口が裂けても言えません。


ごめん、由衣。


私は心の中で、由衣に謝った。


「まあ、別に言いたくなきゃいいんだけど。」


「ほんとに何もないんだってば。信じてよ。」


「わかってるよ。美和はうそつかないもんね。」


「・・・うん。」


ごめん。