「落ち着いたか?」


「うん。夢、見たの。」


美和の身体は熱かった。


「泣くから熱上がるんだよ。」


「だって龍矢、居なくなるから。」


ぎゅっと俺に抱きついてくる。


「俺はいなくならない。お前をおいて、どこにもいかない。」


「うん。」


「だから泣くな。わかったか。」


「うん。」


「寝ろ。ここにいてやるから。」


子供をあやすように、ポンポンと背中を叩く。


「うん。」


「明日には熱なんか下がってる。」


「そうだね。」


「そしたら、夢なんて見なくなる。」


「うん。」