「あ?熱上がったか?」


龍矢がニヤッと笑う。


「もう知らない。」


龍矢から顔をそむけた。


「美和、こっちむけ。」


「・・・」


「美和!」


「ん、なに?」


少し怖い声に、龍矢の方に顔を向ける。


もう、怒らなくてもいいじゃない。


「大人しく寝てろ。薬飲んで。」


「薬はやだ。」


「粉じゃないやつ用意させるから。」


「・・・うん。」


「じゃあ、行ってくるから。」


「いってらっしゃい。」


立とうとする龍矢のスーツをつかんだ。