「寝ろ。」


龍矢がもう一度言った。


その言葉に、意識が吸いこまれた。


教室でも風邪が流行っていた。


「明日は休ませるかな。」


ちょっと赤い顔をした美和を見て思った。


たぶん、熱上がるな。


真夜中になると、少しだけ美和の苦しそうな息づかいが聞こえた。


俺はパソコンから目を離し、美和のそばに座った。


さっき用意させた体温計を、美和のわきにはさんだ。


しばらくして、それが鳴った。


「37.6度。」


美和に布団をかけ直して、濡れたタオルを用意した。


それを美和の額にのせた。