「ほんと?」


「ああ。ただし、これからいろいろ審査するから、味の保障はない。」


「いいよ。三木会社の新作がいち早く食べれるんだもん。」


お菓子を食べれるってだけで、気分はルンルン。


しばらくして、会社に着いた。


「行くぞ。」


そう言って、私の手をとった。


「ちょ、みんな見てる。」


「いいだろ。お前は俺の妻なんだから。」


この時間はまだ、働いてる人がたくさんいた。


龍矢が社長だからか、みんなお辞儀してた。


そのあと、私に目がいく。


私のことを妻だって紹介したのは、一回だけ。


だから、龍矢が結婚してった知ってるのは一部だけ。


それに。


もし知ってたとしても。


こんな制服着た子が、社長の奥さんだなんて誰も思わないよね。