その声に、みんな動き出す。


「美和、部活行こう。」


「うん。」


由衣が話しかけてきた。


新学期そうそう、部活がある。


龍矢とすれ違うとき。


龍矢の指が、私の指に触れた。


ちょっとだけ、ぎゅってしてくれた。


たったそれだけのことで。


私の気持ちは満たされる。


「先生、さようなら。」


「はい。さようなら。」


龍矢じゃなくて、先生だけど。


こうして言葉を交わせることに、満足してる自分がいたりする。