「待てよ。」


「なに?まだなんかあるの?」


「お前、これ忘れてくつもりか?」


龍矢の手のひらには、私の結婚指輪。


「指輪なんかしたら、怪しまれるじゃん。」


龍矢の指には、結婚指輪がはめられている。


同じのしてたら、絶対なにか言われるじゃん。


「私と龍矢の関係がばれたら、どうなると思ってんの?」


「別にいいだろ?俺が教師の仕事、失くすくらいだろ?」


「そうじゃなくって・・・」


そうじゃなくって。


私は、別れさせられるんじゃないかって。


それが心配なの。


「なんだよ。」


「・・・別れさせられちゃんじゃないかって。心配なの。」