「来いよ。」


「えっ?ちょっと。」


龍矢は私を壇上に上げた。


「みなさん・・・」


龍矢が話し出すと、会場全体が静かになった。


「突然ですが、私の妻を紹介したいと思います。」


会場がざわめき始めた。


英語だったけど。


なんて言ってるか、ちゃんとわかったよ。


龍矢が私の左手をとった。


そして、薬指には。


ひとつの光る指輪。


なんでこんなに準備がいいんだろう?


「結婚指輪。渡してなかったから。」


「ありがとう。」