ひまわり畑の管理人の朝は早い。

起きるとすぐに動きやすい服に着替えて、髪を結ぶと外に出て一つ一つ水をやり肥料をやり「元気に育ってね」と声をかけながら甲斐甲斐しく世話をする。 

「今年もきれいに咲いたよ」

誰に届くでもない言葉は風に溶け、首にかけた銀の指輪をふわりと揺らした。