でもそうだよねー。

好きな人からの言葉だけは、心に響くよねー。



「はぁぁぁ~、風紀委員がもめ事を起こしてどうするんだ。炎上前の事前消火が基本だぞ」


「あっ……、直月先輩」



柚葉ちゃんは直月の顔を見て、頬を赤らめると


「ごごごっ……、ごめんなさい」


急にしおらしくなって、顔つきが清楚な優等生に戻っていった。




直月がこの場を納めてくれた。

感謝だなぁ、ありがとう。


でもまだ、気は抜けないか。


女子同士の喧嘩は厄介。

手に負えない感情が入り混じるから。

バトルが再燃しちゃう可能性大!


二人を引き離した方がいいよね? 今すぐに。




「真奈美先輩、一緒に校舎に入りましょう」


「亜里沙っ。私はまだ、この一年女子に言いたいことが……」


「目立ってますから。野次馬が集まってきちゃってますから。さぁさぁ、行きますよ」