「はい。亜里沙先輩、結べましたよ」


「あっ…ありがとう、柚葉ちゃん……」


「あれ、元気ないですよね?」


「そっ…、そう?」


「トレードマークの全開笑顔が、今朝は少ないような……」



そこを今、突っ込んでくるか。


ハートに深い傷を負っているの。

えぐらないで欲しいんだけどなぁ。



「今朝、朝ごはん食べそびれちゃったからね」



なんとか笑い声を付け足せた。

乾いた声だったけど、アハハって。


余計に痛々しい空気が、私を包み込んでいる気がするけど……




ねぇ、直月。


私の異変に気が付いている?

私に無関心すぎて、そんなことどうでもいい?


後者だよね、間違いなく。



直月が私に興味を示す日なんて来るのかな?


二人で手をつないで、遊園地デート。


憧れるけど……


拒絶され続けているせいかな?

そんなハッピーな未来、まったく想像ができないよ。