「亜里沙、リボンだして。結んであげるから」 「……直月」 ほら、やっぱり。 私には冷たすぎ。 声も表情も。 ピクリとも微笑んではくれないし。 思ってるのかなぁ? 『僕の前から、早く消えて』 『柚葉ちゃんとの時間、邪魔しないでって』って。 「リボン……お願い……します……」 「ああ」 ダメだ。 泣きそうな自分を隠すのにいっぱいいっぱいで、敬語になっちゃった。 顔を見られたくない。 顔……上げられない……