男運が壊滅的と言われていた私だけど、実際は自分から好きになったことのない恋愛音痴だと気づかされ、更には恋愛指導してもらうことに。
恋愛指導って、何するの――?
「おーきたきた」
こちら、私に恋愛指導をしてくれるという超イケメンの副担任・陽生先生。
私は今日の放課後、陽生先生に呼び出されて資料室に来ていた。
一人だけ呼び出されたということは、早速恋愛指導してくれると思うんだけど……
マジで何されるんですか!?
「んじゃ、これ」
――ん??
「なんですかこれ」
「見たまんま。資料の山だけど」
「えっとこれは……」
「言ってなかった?資料整理の手伝いよろしく」
なっ……、ただの雑用!?!?
「なんで私なんですか!?」
「基本暇人だろ」
くっ……!否定できない帰宅部……!!
「私にだって用事があるかもしれないじゃないですか!」
「ノコノコ来たってことはないんだろ」
「ぬぐぐ…」
「ほら、とっとと手動かせ」
横暴すぎませんか……?
恋愛指導してくれると思ったから来たのに、実際は雑用とか詐欺じゃん。
ちょっと期待したのになぁ……。
溜息をつきながら、それでもやるしかないので作業を始める。
しかも資料はめちゃくちゃ多い。
この量を任せるとか、鬼じゃない!?