キュンと胸がときめいた。
ときめ、いた?
っ、ダメだ。どんどん理乃に流されてく。このままじゃ、中学の時みたいになっちゃう……!
私と理乃は一生トモダチなんだから!キョリのそこまで狭くないトモダチ。
ときめいてたら、ダメだよね。
「こんなの、申し訳ないよ……!」
理乃のブレザーを慌てて返そうとするけど、理乃は全然受け取ってくれない。
「いーんだよ。紗羅が着てて」
「や、だから」
「俺のせいで紗羅が風邪ひいたら俺が先生に怒られそーでヤダなー」
……後半ちょっと棒読みな気がしたけど。
理乃が困るんだもんね。だったらしょうがないか。
「じゃあ、お言葉に甘えて……」