直視できず語彙力もおかしい。それでもなんとか言い切ったのに、理乃はこっちに近づいてきた。
「紗羅」
「っ、」
理乃がこっちに来て、前髪をかきあげる。いつもと違う雰囲気で、色気もましたことに本人が気づいているかは分からない、けど。
それにしても、ヤバい……。色気の大渋滞……!
「紗羅、服透けてる」
「え、わっ、ほんとだ……」
言われて自分の制服を見ると、白いワイシャツがびしょ濡れになってキャミソールが透けてる。
う、わぁ。恥ずかしい。
自分で慌てて隠すと理乃が不満そーな顔をして。
「これ、着てて」
自分の服を脱いで私の肩にかけてくれた理乃。
ふわっと鼻をくすぐる理乃のホワイトムスクの匂い。