「理乃、これ流さないといけないよね?」


「あー、もう時間ないしホースですぐ流そ」


そう言ってホースを持ってきた理乃。蛇口を捻るとジャーって勢いよく水が飛び出した。


どんどん汚れが排水溝へ落ちていく。なんだか理乃だけがやってるのが申し訳なくなってきて、


「理乃、私もやるよ」


「え、いーよ」

「いい!私がやりたいの!半分から変わって」


そう半ばむりやり言って半分まで行ったとき、ホースを受け取る。持った瞬間、意外と水の反動がすごくてびっくりした。

グッと力を込めてプールを駆け回る。意外と汚れはすぐに落ちて、あと少しというとき、


グラリ


汚れで足が滑った。自分の体がゆっくり傾いていく感覚。