「氷室さんも大変ね。鈍感すぎよ、この子」
「分かってますよ、」
そんな会話をしてたけど、私は気にもしなかった。
そして今に至る。
「うう、終わんない〜」
これ、登校時間に間に合うかな……?
横目で理乃を見るとまくった袖から筋の入った筋肉質な腕が見えて、昨日の夜の腹筋を思い出してしまい、顔が赤くなるのが分かった。
赤みを振り払う為に一生懸命汚れを拭く。
「紗羅、俺の方終わった。終わりそう?」
「っ、あとちょっと、」
「じゃー俺も手伝う」
私の方へ来て手伝ってくれる理乃。腕も足も長いから私よりすぐ終わるんだろう。
「ありがとう!」
私も負けじとゴシゴシ洗う。そんなこんなでやっと洗い終わって泡が残ったプール。