北川 一華《きたがわ いちか》、20歳。

結構有名な財閥のお嬢様なのに、お見合いが上手くいかない。

そんな時、私の執事の吉野《よしの》が言いました。


「僕を誘惑しませんか?」


「は?」



「お嬢様の恋愛スキルの現状が分かりません。僕をお見合い相手だと思って、誘惑してみて下さい」

「えっと、吉野は頭がおかしくなったのかしら?」

「そろそろ本気で相手を見つけてくれないと、僕が旦那様に怒られます。それとも、自信がないのですか?」

「はぁ!?」