タクシー運転手は、ハンドルを握ったまま、バックミラーに映る名刺に気がついた。
 片手を伸ばして受けとる。
「タクシー運転手さんなら、そういう裏名所も詳しいだろうと思いましてね。今日は、案内をよろしくお願いします」