「フィオンの呪いが解けて良かった」
「ありがとう、メリン。君が俺に会いにきてくれて良かった」
「私、ずっとあなたと一緒にいてもいい?」
 そう聞くと、フィオンはそっと私を離す。離れてしまったのを寂しく感じてフィオンの顔を見上げると、フィオンは私を真っ直ぐ見つめていた。
「君が妖精界に行ってしまってから気がつくなんておかしいけれど、きちんと言わなければと」
 その眼差しがあの日とはまた違った真剣なものであり、さらに熱を帯びているようで私は戸惑ってしまう。真っ直ぐに見つめ返したい、でも目を逸らしたい。けれど、大切な話をしてくれるのだということがわかっている私は、目を逸らさずにしっかりと向き合った。
「メリン、君が好きだ。これからもずっと一緒にいてほしい」
 ずっと伝えたかった言葉を伝えたいと願った時、同じ気持ちを返してもらえるなんて思いもしなかった。
 寿命がどのくらいかわからない。けれど、残りの命はフィオンと共に過ごせることに、幸せを感じていた。