そうして一人だけになるとなんだかどっと疲れが押し寄せて来て、私はベッドに腰かけた。

心地よい弾力にほっとする。
私が小学生の頃から使っていたのとは大違いだ。

ベッド、買っていただけて良かったな……。

聡一朗さんと同じベッドで寝るなんてことになったらどうしよう、と余計な心配をしていて実は昨晩までよく眠れなかった。

寝起きの聡一朗さんってどんな感じなんだろうとか、寝惚けたりするのかな、なんて考えてはドキドキしていた。馬鹿みたいだ。

共同生活か……。

ベッドはともかく、生活空間のほとんどを聡一朗さんと共にすごす。夫婦として。

でもこんな広い部屋を与えてもらったら、一日中顔を合わさずに過ごすこともできるような気がした。
聡一朗さんも忙しいから、外出することがほとんどだろうし。
そんな状態なら、本当に契約関係っていう冷めた関係を継続していけそうな気がする。

私、これからどうなるんだろう……。

ただただ広くて真っ白なだけの部屋を見て、急にひとりぼっちで心許ないような気持が押し寄せてきた。
窓に広がる青空を見ても、脚が竦むような気がした。

「まずはカーテンを買わせていただこうかな」

そんな独り言も、広い部屋ではよく響くのだった。