それ以降、
理緒が急激に良くなった。
ちゃんと朝に起床し
亮二に朝ごはんを作るようになり
昼はカップラーメンを
食べてる亮二を見兼ねた理緒は
お弁当箱を購入し毎日、亮二に、お弁当を作った。
「あの、これ、どうぞ」
理緒から、ぎこちなく弁当を渡された日は
なんだか、嬉しくて、照れた。
昼に弁当箱をあけると
タコさんウインナーや、玉子焼き、ポテトサラダに
ふりかけご飯など、定番メニューが入っていた。
当然、医局にいた他の医者からは、
からかわれた。
「いや〜津川先生の娘さんは
父親思いですなぁ」
院長まで弁当を見に来た。
「ウチの娘なんて、反抗期でロクに
口も聞いてくれませんよ」
と、内科の医者が、うらやましそうに
弁当を見ていた。
亮二は、なんだか、嬉しかった。
そして、理緒と亮二の
穏やかな生活は始まった。