他の4人には、敢えて言わなかった。

2人だけの空間、雰囲気、全てを知られたくなかった。

入り込んで欲しくなかった。

お互いにそう思っていたのかもしれない。



4人は私達の金曜日の放課後ルーティンに気づいているかいないのかは定かではないが、それについて私と光瑠に言及してきた事は一度もない。

だから、気づいてない確率の方が高いと思う。


6人で過ごす騒がしい空間も好きだが、2人だけで過ごすあの空気が、私は好きだ。



そんな日々が続いていた。

けれども、突然のあの出来事が起こる。



高1の2学期終業式後。

あの発言が彼の口から発せられる。