静まり返った部屋の中、時計の秒針と冷蔵庫の機械音だけが、その存在を主張している

私は、窓から差し込んでくる街灯の灯りを頼りに、部屋の灯りをつけた

蛍光灯の白々しい光が、さっきまで誰も存在しなかった部屋の静寂を際だたせる…

私が、テレビのスイッチを入れると、最近よく見るお笑い芸人のアップが映し出され、さっきまで静寂が支配していた部屋に、スピーカー越しの笑い声が広がり、部屋の中の空気が動き始めた

私は風呂場に行き、少し熱めのシャワーを、頭から浴びた…

私の体を伝い、体に染み付いた今日一日の煩わしさが、お湯に溶けて排水口の中に流れて消えていく…

簡単にシャワーを済ませ部屋に戻ると、部屋の中の空気は日常を取り戻していた

冷蔵庫から缶ビールを取り出し、窓を開けると、シャワーで火照った私の頬を、夜風が撫でる

私はしばらくの間、その頬を撫でる風に身を預け、体の火照りを冷ました