彼女は、また盛大にため息を吐き

「やっぱり、あんた変だわ…」

と、頭を抱え込んだ

「食べないの?」

私が、パンを口に放りながら訪ねると

「失恋した次の日に、それだけ食欲があるあんたが、信じらんないわよ…」

と、机に突っ伏してうなだれている

「あなたこそ、よく他人の恋愛に、そこまで感情的になれるわね?」

私は、パンを食べ終わり、コーヒーを飲みながら、呆れ半分で彼女に聞いた…

「私は、自分の事なのに、そんなに無感情でいれる、あんたに呆れる…」

彼女は体を起こし、ようやく広げたお弁当を食べ始める

「私はね、あんたのその恋愛に対して、淡白すぎるところを心配してるのよ…」

お弁当を食べながら彼女は言う…

「どうしてよ?」

「あんた、今のままでいったら、幸せ逃すわよ」

彼女の言葉に、一瞬カップを持つ手が止まった

「いいのよ…別に幸せを求めて生きてる訳じゃないから…」

私はそう言って、カップに残っていたコーヒーを、一気に流し込んだ

「なんでよ…?女は、優しくて生活力のある男を捕まえて、男に支えられてなんぼだと思うけど」

彼女は、次のおかずを物色しながら言った

「そんなのは一般論よ…私は、男に幸せにして貰おうなんて思ってないから…」

私は、空になったカップを見つめ、彼女に言った…