暗い夜道を急ぎ足で歩く足音

「大変ですわぁ~遅くなってしまいましたの」

その足音は咲矢香のものであった。
咲矢香は急いで公園を抜けようとすると急にハンカチを口を押さえられ捕まる。



咲矢香が連れて行かれた場所は古いお城だった。
黒い長髪ににアールグレーの瞳にマントを着けてる青年が近くにいた。咲矢香は困ったように

「私をこんな所に連れてきてどうする気ですか?」

「君はこの計画に大事な鍵なんだ。少しだけ協力してもらうよ」

くすりと青年は笑うと咲矢香を茶化すように唇を奪おうとするふりをする。

「あと一人少女が必要なのだが誰なのか解らないのだ…。その少女が見つかるまで待つんだな」

マントを翻しこつこつと足音を立てて去る。



「おはよぉ~」

いつもの学校。
華鶴菜は咲矢香を探すが何処を探してもいなくてボーとしている

「おはよ!華鶴菜」

「えっ…あっ!おはよ…」

「華鶴菜どうしたの?元気ないわよ?」

「あ…ううん…何でもないの」

心配かけないように焦りながら言うが

「そっかぁ~もうすぐ学校始まるのに咲矢香が来てないんだもんね。どうしたんだろうね。咲矢香…」

「う…うん…」




「さぁ!夜になったし今日も頑張って仕事するにゅう」

「お前は元気だな…」

「さぁ華鶴菜行くにゅう」

「…」

「にゅ?華鶴菜?」

「…」

「おい!華鶴菜!!」

「えっ!?なっ…何?」

「華鶴菜おかしいにゅう~。何があったにゅう?」

「咲矢香の事だろう?」

「にゅ?咲矢香?」

「気になるかもしんねえが今は仕事に集中しろ」

「う…うん…ごめんなさい」

「何が気になるにゅか?」

「こいつの友達の咲矢香って子が学校に来なかったんだ」

「家の娘を知らないかって咲矢香ちゃんのお母さんから電話も来たの」

「…!もしかしたら人間が一人さらわれているにゅう。もしかしたらその人間がその娘なのかもにゅう」

「えっ!?じゃあ…助けに行かなきゃ」

慌てて出て行こうとするが裕也が手を掴み止める。

「落ち着け」