「んで?本当に平気なのか?」

と心配しつつもあえて冷静に聞く。
華鶴菜は

「先生がいないのはちょっと不安だけどなんとかなるよ」

と明るく答える。
裕也君は

「そうか…。なら良いんだけど」

と呆れた感じに答える。
チルリルは単純に決めた華鶴菜に怒っているがそれは放置して華鶴菜と裕也は話を進めるとペンダントが光りだす。
裕也君が

「華鶴菜!行くぜ」

と言い走りだす。
華鶴菜も

「うん」

と言い裕也君の後を追う。
チルリルは

「ちょ…ちょっと…。待つにゅう」

と急いで二人の後を追う。
三人が向かった先には熊がいて人と遭遇し襲っていた。
華鶴菜はその人を庇うように二人の間に入ると

「あなたの居場所はここじゃないわ。森に帰りなさい」

と優しく言う。
熊は華鶴菜の言う事をお構いなしにじりじりと近寄る。
よく見るとその人の近くには血を流して横たわっている子ぐまがいた
華鶴菜はその子ぐまを見ていきなり熊に抱きつき

「あの子ぐまはあなたの子供だったんだよね?だから怒ってるんだよね?許してと言っても許せる筈ないよね」

と相手を宥めるように言う。
勿論熊に人間の言葉が伝わる訳もなく熊は華鶴菜に手を振り下ろす。
華鶴菜は痛みに耐えながら

「ごめんね」

と謝り続ける。
裕也君とチルリルが

「華鶴菜!」

と呼び駆け寄ろうとする。
華鶴菜は

「来ちゃ駄目」

と二人を止める。
華鶴菜はどんどん血が流れ立っているのも辛い状況になり熊に寄り掛かるように

「お願いだから森へ逃げて」

と熊の心配をする。
熊は華鶴菜を抱き抱える。
熊の行動に一同は驚く。
華鶴菜も一瞬驚くがこの熊は危害を与えないと察したのか

「ありがとう」

と言いにこっと頬笑む。
その時だった急に光が包むと華鶴菜は回復する。
華鶴菜が

「誰?」

と言う。
すると物陰から

「心配になって来てみたんですが来て正解でしたね」

と言いながらその人物は登場する。
熊に抱かれた華鶴菜はその人物を見て一瞬驚くがすぐに嬉しそうに微笑み

「先生!?」

とその人物を呼ぶ。