裕也は華鶴菜の後ろに乗り先生は飛びながら裕也が案内する場所に向かう。
華鶴菜達はそこに着くと辺りを見渡す。
すると少し経つとまた朝会った女性が現れる。
女性は寂しそうに微笑むと空に上がろうとしていた。
華鶴菜は

「召喚(サモン)イフリート」

と呪文を唱えると杖に翼を付けて

「待つにゃん」

と飛ぶ。
裕也が
「馬鹿！一人で行ったら危ないだろうが」

と追い掛けるが追い付かない。
チルリルは

「華鶴菜！危ないにゅう」

と言うが華鶴菜は女性の手を掴むと消える。
皆が

「華鶴菜！」

と叫ぶが華鶴菜の姿も風の精霊の姿もない。



その頃華鶴菜は風の精霊の手を掴んだままイフリートを杖の中に戻す。
風の精霊が向かった場所は小さな洞窟だった。
そこに華鶴菜を下ろすと洞窟の先を指差す。
そこには弱った鳥がいる。
華鶴菜はその鳥の元に向かうと鳥は羽根を骨折していた。
華鶴菜は

「この鳥さんはどうしたにゃん？」

と言うと精霊は落ち込んで何も言わない。
華鶴菜は

「私治癒能力ないだにゃん。だけどこの子見たかんじ羽根を骨折してる以外は特に外傷は無さそうだにゃん。」

と言い近くにある小枝と草で応急処置をする。
精霊は華鶴菜に

「ありがとう」

と申し訳なさそうに言う。
華鶴菜は精霊の声に驚くがすぐににこっと笑い

「やっと喋ってくれたにゃん。私は聖夜華鶴菜だにゃん。あなたの寂しそうな微笑み私のせいかな？って思ったにゃん。ずっと一人でやっと巡り会えた人に叫ばれたからにゃん…。でもあなたはこの子を守る為に人を近付けさせないようにわざと驚かせてたんだにゃん。」

と言うと精霊は頷き

「私が怪我させちゃったから。」

と複雑そうな顔で言う。
華鶴菜は

「ねぇ。この子連れて元の場所に戻らないかにゃん？あそこになら怪我直せる人もいるしこの子は元気になるまで私が責任持つにゃん。だから仲間の元に行かないかにゃん？」

と言うと精霊は

「本当？」

と嬉しそうに言う。
華鶴菜は

「うん約束するにゃん。」

と言うと精霊は嬉しそうに

「ありがとう」

と言う。
そして涙を拭き