と言うと急に木と木の間から白い服を着た長い髪の女性が現れる。
女性がにこっと寂しげに微笑むと天に上がるようにして消える。
華鶴菜は慌てながら

「にゃあぁ~出たぁぁ~」

と叫ぶと女性は寂しそうに消える。
チルリルは

「華鶴菜落ち着くにゅう。あれは風の精霊にゅう。」

と説明する。
華鶴菜は

「そうだったのかにゃん」

と言う。
チルリルは

「今もうここにはいないから一度もどるにゅう」

と言う。
華鶴菜はみんなに

「ごめんなさいにゃん」

と落ち込みながら謝ると先生はにこっと微笑み

「気にしなくて大丈夫ですよ」

と頭を撫でる。
華鶴菜は

「…う、うん。」

と複雑そうな顔をしながら頷く。



華鶴菜達は自分達の家に帰り、学校へ行った。
華鶴菜は猛スピードで学校に着き教室のドアを開けると

「セ・セーフ」

と息を切らして言う。
チャイムが鳴り先生が華鶴菜の頭を出席簿で軽く叩き

「華鶴菜さん。セーフじゃありませんよ。もう1時間目のチャイムですよ。」

と言う。
振り返るとそこにいたのは国語の鹿島先生だった。
華鶴菜は

「ごめんなさ~い」

と叩かれた頭を押さえ謝ると鹿島先生は華鶴菜の頭をくしゃとし

「良いから席に着きなさい」

と言う。
華鶴菜が席に着くと咲矢香が

「おはようございます。華鶴菜ちゃん。今日は遅かったですけど何かあったんですか?」

と小声で聞くと華鶴菜は

「あっ。うん。ちょっと寝坊しちゃって」

と手を左右に振りながら言うと咲矢香は

「そうでしたか。それは災難でしたね。」

と半信半疑のまま言う。
華鶴菜は裕也の席を見て

「あれっ?岸倉君は?」

と咲矢香に聞くと咲矢香は

「風邪でお休みだそうです」

と言うと華鶴菜は

『裕也さぼったな』

と思いながら

「そっかぁ」

と言うと咲矢香はくすくす笑い

「心配ですか?」

と言うと華鶴菜はそっけなく

「別に…。」

と答える。
咲矢香は

「きっと転校して来たばかりだから緊張の糸が切れたんでしょうね」

と言う。
華鶴菜は

「うん。」

と答える。