「じゃあ、とりあえずうちの事務所行こうか。」
遥斗は少し嬉しそうだった。
なぜか、そんな遥斗を見て嬉しくなっている自分がいた。
「うちはね、小さい事務所だけど、社長の雅人さんがいい人で、みんな楽しくやらせてもらってるんだ。」
まさ、と?
いや、気のせいだよね。
「さ、ここが事務所だよ。」
うわぁ、!
事務所と言ったらもっとちんまりしているものだと思ってたけど、すっごく綺麗だ。
「入ろっか。社長に紹介するよ。」
コンコン。
遥斗が社長室のドアを静かにノックした。
「入って入って〜」
•••聞き覚えのある、懐かしい声。
ドアの先にいたのは、
「父さん•••?」
何年ぶりだろう。
私が父さんを見間違えるはずがない。
この人は絶対、私の実の父だ。
「愛美?!」
やっ、ぱり、父さんだ!
「愛美!会いたかったよ、あれから母さんに何もされてないか?」
お父さんは、優しいなあ。
自分を選んでくれなかった娘に対してこんなに優しくしてくれるなんて、
「バイト、クビになって、家を、追い出された。」私は震える声で途切れ途切れにそういった。すると父さんは、
「愛美。もうだめだ。あんなところに可愛い愛美を置いておけない。愛美、今日からお前はこの事務所の寮にはいりなさい。」
え、り、寮?
「そこなら遥斗達もいるし安心だろう。遥斗いいかな?」
父さんが遥斗に尋ねた。
「もちろんです!愛美はとってもいい子ですから、一緒にいても癒されるしね。」
「あ、社長。お話なんですが、彼女はとっても歌が上手いんです。そこでですが、彼女を
ー『 starplanet』に入ってもらう許可を。」
遥斗は真面目な顔でお父さんにそういった。
お父さんは少し考えてからこういった。
「いいだろう。でも万が一愛美が少しでも嫌と言ったら、父親として!愛美を『 starplanet』から脱退させる!いいな!遥斗、愛美を泣かすんじゃないぞ!」
父さん、過保護だよ。
「もちろんです!」
遥斗は元気にそう言った。
「じゃあ、愛美。ほかのメンバー紹介するね。」
続く•••