意地悪な笑顔で私のことを見てから、再びレントゲン画像に目を向ける晃洋さん。


「うん、大丈夫そう。骨癒合もばっちり」

「よかった。安心しました」

「受傷してからもう半年以上経過しているからこれで終了にしてもいいし、また半年後くらいに経過を見せに来てもらってもいいよ。どうする?」


半年後……か。
今から半年後といえば、晃洋さんはもうアメリカに行っていない。

次の診察の先生は誰になるのかはまだ聞かされていないけれど……妃織のためなら、受診したほうがいいよね?


「あ……じゃあ、また来ます」

「うん、了解。けど、予約に関しては少し待って」


晃洋さんはそう言うと、私たちを退室させるよう看護師さんに指示を出した。

いつもなら診察室で予約を取ってから帰るのだけれど、今日は違うのかな?
不思議に思いつつも看護師さんに「待っていてね」と促され、予約票も受け取らぬまま再び待合室で待つことになった。

わけがわからないまま椅子に座って絵本を広げていると、晃洋さんが私たちのところへ来てくれる。


「美優、待たせてごめんな。次の診察は俺じゃないから、別のドクターに任せる」

「え、はい。でも、予約は……」

「俺の同期に、桜川という整形外科医がいるんだ。そいつに頼もうと思ってる」