「あぁ言い忘れてましたが、その印は隠して下さいね」

そう言って首元を指差していた。よく見ると、首元に薔薇の花弁のような印が残っいた。

「え!?なんですかこれっ」

彼は耳元まで来てこういった。

「貴方は、もう私と結ばれました。なので分かりやすく言いますと、その意味を示すものでもありますがあと一つーー」





















「”貴方は私のもの”という意味でもあります」













彼の声を聞いて不意にドキッとした。
この言い方からすると、これから先も一緒だと言っているようなものだった。

(何かやられっぱなしで悔しい、、)

私は、やり返してやろうと彼を座らせて目を閉じるよう伝えた。
すると案の定彼に警戒心は無くなっていて、私は彼の首元に噛み付いた。

ガリッ。

(苦っ)

彼は、はっ!?と荒ぶってこちらを振り返った。私の本当の狙いはこの瞬間だった。

「ハハッ」

「私に全て盗まれますよぉ?怪盗吸血鬼さんっ」

私は、彼のお面を盗んだ。

不思議なお面に隠れていた綺麗な顔があらわになった。






綺麗な金色の短い髪の隙間からみえる

夜空のような濃いブルーの瞳




びっくりしているのか、少し照れているのか彼の顔は赤みを帯びていた。





あぁ



今見ている彼は、何も偽ってないんだ

本当だったら彼はバレることなんか気にせず

お面をなんか付けるはずじゃなかったんだ



「貴方はいまの姿が一番素敵ですよっ」

私は最大の笑顔でそう言った。彼に伝わるように。