前回あったモニカの素行調査という、弁護士の仕事からは少し違う小遣い稼ぎ的な収入が減ったからだろうか。

 だが、明け透けとも言える本音を言ってくださるところは、前回よりも真っ直ぐなひとに感じられて。
 やはりこのひとに付いて、弁護士という仕事を学びたいと思った。



「ムーアの貴女が、商売に関しての、ではなくて?
 では、どんな弁護士を目指しているんですか?」

「……今はほとんど関心を持たれていない、子供達の権利を守るお手伝いがしたいんです」

「子供の権利?」


 この時戻しのお陰で、私は色々なものに気付かされた。


 本当の名前を間違えられても、謝っても貰えなかったオル。

 実の親から借金のための駒扱いされて、弔いもして貰えなかったシドニー。

 言葉巧みに騙されて、妹を人質に縛り付けられたサイモン。

 戸籍を抹消されて学校へも通えなかったクララ。

 捨てられることに怯えて、愛想を振りまいて、それに疲れて嘘をついたモニカ。

 13歳を過ぎたら無給の労働力にしかなれないと、人生を諦めるしかなかった孤児院の子供達。

 自分の能力に掛けられた年金の受け取りさえ勝手に変更されたヨエル。

 そして、愛の鞭を受けて大人になっても心の傷になっていたオーウェン。