「……ディナ?」

「さっきまでは、ただ貴方が消えてしまうかも、とそれが辛くて、それなら私が戻ろうと思ってた。
 だけど、今は違う。
 私は今はすごく怒ってて、この状況を絶対に変えてやる!って、決めた。
 シドニーやモニカにだけじゃない。
 自分では何もしない父やそれを甘やかした母。
 自分だけがクレイトンから逃げようとしていた私も。
 全部を正さなきゃ、リアンに申し訳が立たない。
 今回、あの子は意識を取り戻すんでしょう?
 だったら、6時間もかけて帰るより、今直ぐに魔法を掛けてよ。
 私を列車に乗せたら、直ぐに3年前に戻るつもりだったんでしょうけれど。
 この役目は貴方には、譲らない」


座ったまま、私を見上げたオルに宣言した。



「……本当に戻る気?」

「そうよ、私が自分からそう望んだ。
 助けた御礼を返したいんでしょう?
 早く返してね」


 ◇◇◇


「ゆっくり力を抜いて」

「……」

「目を閉じて」 

「嫌だ」