「~~っ、先輩、」 「なに?」 「はなして……」 「無理。……あ、それとも」 ーーこっちがいい? と、ギラリと鋭く尖った八重歯を鎖骨に突き立てられる。 すーっとなぞられてしまえば、もうおしまい。 頭がぐるぐるとキャパオーバーで。 ショートしそう。 「……小夜ちゃん」 「ーーっ、もう無理……っ!」 真っ赤になった顔で限界だと叫ぶと、世界がふっと切り替わった。