「小夜ちゃんの血、甘くなってる」



なんでだろうね?と目を合わせられて、思いっきり反らした。



「……知ら、ないですよ…っ!」



少し思い当たることがあったけど、すぐに頭の隅に追いやって知らないふり。



「……小夜ちゃんってツンデレだよね」


「そういう先輩はいつもマイペースですね」


「かわいい」


「っ、へ!?」



日頃からの皮肉を込めて言った言葉なのに、先輩の一言で逆転されてしまう。


逆転もなにも、始めから先輩が主導権を握っているんだけど。



「吸血されてるときだけ敬語外れるとことか」


「……っ」


「ここなぞられると、甘い声出ちゃうとことか」


「……ぅ、ぁ」