……なんだ、そっか。 心のどこかで、残念に思っている自分がいて。 悲しいのか、納得したのか、自分の感情がよく分からない。 なんで自分が残念がったのかも。手を引かれてなぜか心臓の音が速くなっているのも。 少し暗いと感じる教室の扉に先輩が手をかける。 まだ繋がっている手を見て心臓の音がおさまるように願っていると、ガラ、と音を立ててしまった扉と一緒に大きな温もりに包まれた。 ーーぎゅ、 「……っへ?」