ーー…… まだ鮮明に思い出せる、思い出したくない記憶。 夜遅く、帰り道を通っていたとき。 私は中学生で、知らない吸血鬼から急に襲われて、血を吸われて。 ……正直、あの時の恐怖は消えていない。 トラウマはしっかりと植え付けられたまま。 だから、吸血鬼は苦手というか、関わりたくなかったはずなのに。 ーー不思議と、先輩は大丈夫。 雰囲気がゆるいから?優しいから? なんでだろう、ぜんぶな気がする。